放課後デイこたふくの部屋(茨木市)のゆびまるこ教室。
「バレンタインカードをつくりましょう」
そう言って見せた材料は
こどもたちはじっと材料をさわって、くみあわせている。
なに?なに?なにがはじまるの?
その様子がいつもわくわくする瞬間です。
「あ!携帯電話!携帯つくる!!!」
目がキラキラ、ひらめきましたー!
携帯電話になりましたー。
そうなると、私の「バレンタイン」なんて、最初からまったく存在せず
「カードづくり」はあったのかなかったのか、状態になります。
それでもいいのが、ゆびまるこ。
ゆびまるこは子どもの心を育てる表現アートの活動なので、
テーマはありますが、そこから子どもたちがどのように発想を広げていくのかは自由。
まるでお料理のようで、素材をどのように使うのかは自由なのですね。
目の前の素材を、手で組み合わせながら生まれてくる
こどもたちの創造性の瞬間。
教えなくても、さっさと作り出します。
もう「できる」は育っているから。
もう2機目ですか。
電話の番号がしっかりと書かれていますね。
「もうひとつは、お姉ちゃんの携帯なの」
誕生日だから、携帯をプレゼントしたいとのことでした。
ここでゆびまるこ。
「私は青色だから、青ね」と青い色をくるくる。
妹ちゃんも「携帯つくる!」と家族の携帯プロジェクトとなりました。
みんなに携帯つくるのー。
みんなで携帯ではなすのー。
「あれ?この携帯、『0』がないよ」
スタッフの一言で、一同パニック。
気づく。この携帯には「0」がない。使えないという事実。
のりのりだった彼女は目を見開いたまま、固まる。
完全にフリーズ状態。
- 想定外のことに弱い。
- 新しいことに弱い。
- だめだと思うともう何もできなくなる。
- 泣き叫ぶ
そんな彼女。
私はドキドキしながら(本当に久しぶりの緊張状態)
じっと見守っていると
「どうしたらいいの?ゼロはどこ?」
はい…パニック寸前。
ドキドキ
すると、顔つきが変わる。目が変わる。
「先生!携帯見せて!」
私の携帯を見て、「ゼロ」の位置を確認するとほっとした様子。
全ての携帯電話に、追加していきました。
素晴らしい!
この対応力に、私は感動でいっぱいでした。
成長したね。頑張ったね。踏ん張ったね。
なにかが起こった時に
これまでなら逃げる、あきらめていた彼女は
- あきらめるのではなく「どうしたらいいのか?」を考えた
- 「助けてくれる人にお願いした」
- 答えを見つけ、自分で行動して、解決した
この成長は素晴らしいものです。
まさにレジリエンス力です。
自分のチカラで解決した彼女はとっても自信をつけて、
「さ、ゆびまるこ、しよ」とさらに前向きに。
家族の携帯プロジェクト、完成!
…あ、でも今、気づく。
この家族、5人家族でした。
お父さんの携帯がない…。
お父さん、頑張れー!次は携帯作ってもらってね。